取引先に税務調査が入ったんだけど、やっぱり建設業って税務調査が多いのかなぁ??
- 建設業に税務調査が多いって本当?
- 建設業に税務調査多い理由を知りたい
- 税務調査にならないための方法は?
こんな疑問にお答えします
数ある業種の中で、なぜ建設業が税務署の標的になりやすいのか?
右も左も分からないところから事業を立ち上げ、懸命に働いて、調査になったとたんに多額の税金・・・真面目に経営しているのにどうしてこんなにも税金がとられてしまうのか・・・やるせない気持ちになってしまいますよね。
「脱税とか不正とか悪いことをしている企業こそ税務調査するべきでは」という気持ちもわかりますが、税務調査は非情なもので、どんな企業にも定期的に調査があります。
とりわけ建設業の調査実施割合は約 4 割と結構高いかもです・・・
本記事では、中小企業の建設業経営者の方向けに、「建設業に税務調査が多い3つの理由とその対策方法」について建設業の税務調査対応を数多く経験してきた税理士が解説します。
この記事を書いた人
にっしー 税理士
建設業と資産税に強い筋トレ系税理士
趣 味 家族旅行と投資と毎日筋トレ
※この記事は5分程度で読むことができます。「税務調査」と聞いてドキッとした方は是非
最後までお読みください。
建設業は本当に税務調査が多いのか?
そもそも建設業に対する税務調査が本当に多いのか気になるところですよね。単なるウワサなんてこともありますし・・・
そこで実際のところどうなのか、税務調査を主管している国税庁の公式情報を確認すると・・・
全体的な調査は飲食業に多いものの、不正発見割合が高い業種として建設業(職別土木建築工事)が3位にランクされています。
たくさんの業種があるにもかかわらず、なぜ税務調査が多い業種として建設業が上位にランクインされているのか?この根拠を詳しく解説していきます。
建設業に税務調査が多い3つの理由
設業の税務調査が多い理由は下記の3つ、
- 一件あたりの取引金額が大きい
- 不正所得の発見割合が多い
- 会計処理が複雑
詳しく解説していきますね。
一見あたりの取引金額が大きい
税務調査をする税務署の視点になって考えてみましょう。
建設業は他の業種と比べると、売上高も大きく一件当たりの取引金額も大きい傾向にあります。
税務署側から見れば、税務調査で時間をかけて調べるよりも、取引金額の大きい項目に絞って調査に持ち込んだ方が効率は良いのです。
所得金額に大きな影響をあたえる項目をピンポイントに指摘した方が調査官にとってみれば手間もかからず効率が良いということになります。
不正所得の発見割合が多い
「税務調査=必ず不正が発覚する」ではありません。もちろん調査が空振りに終わるケースもあります。
しかし、建設業は不正発見割合が高く、国税庁の公式資料でもその不正所得割合を確認することができます。
「調査に入れば高い確率で不正が見つかる」という調査官の視点に立てば、やはり建設業は狙われやすいと言えるのです。
会計処理が煩雑
建設業の会計処理は一般の業種よりも複雑かつ特殊です。
それゆえ「建設業経理士」という建設業専門の経理資格があるほどです。
その特殊性から経理担当者が会計処理に不慣れであることが多く、本来であれば、経理担当者が間違えてしまった会計処理を顧問税理士が修正する必要があります。
しかし、その修正すべき項目に気付くことができない建設業を不得意としている税理士がいるのも原因の一つです。
建設業に調査が多い理由まとめ
以上、ポイントをおさらいしますと、建設業に税務調査が多い理由は、
建設業に調査が多い3つの理由
- 一件当たりの取引金額が大きい
- 不正所得の発見割合が高い
- 会計処理が煩雑で会計処理のミスを税理士が発見できない
とは言え、税務調査が多いという理由だけで事業を変えるのは本末転倒。ここからは「建設業の税務調査のポイント」を3つに絞って解説します。
建設業の税務調査のポイント
建設業の税務調査対策ポイントを厳選して3つご紹介します。
- 工事関係書類を適正に保存する!
- 原価管理の適正化!工事台帳を整備しよう
- 月に1回専門家のチェックを!
ポイントを解説してきます。
工事関係書類を適正に整理保存
建設業は請負契約書、注文書、設計書、引渡書など、受注から施工までたくさんの書類があります。
中でも税務的に注意したいのが下記の書類。
- 工事請負契約書、注文書
- 工事完成引渡書
- 工事台帳
これら工事関係書類には会計や税務の判断で基準となる情報が盛りだくさん。
この書類を正しく整理保存されていないと調査の際に不利になることがあるので気を付けなければなりません。
原価管理の適正化!工事台帳を整備しよう
建設業の原価管理はとても重要です。
なぜなら、税務では原則的に収益(売上)と費用(原価)を同じタイミングで計上する必要があります。
原価管理が適正ではない場合、収益と費用の計上時期がずれ、調査の際に指摘されてしまうというケースが多くあります。
意図的ではないにしろ、間違った処理をそのまま放置するとリスクが高まることになります。なので、調査リスクを排除するためにも原価管理は重要で、とくに税務署が必ず見る工事台帳の整備は必須項目になるのです。
月に1回は専門家のチェックを!!
建設業の会計処理は複雑です。
これは「建設業経理士」という資格があることからも、その経理処理には専門知識が必要になることが分かります。
例えば未成工事支出金。会計上は適正に処理されていたとしても税法上は解釈が違うなんてこともあり、これらの積み重ねが経理担当者を悩ませます
なので、最終的には税務申告の専門家である税理士にチェックしてもらうことが必須になってくるのです。
毎月は無理!というならせめて四半期(三カ月に一度)は見てもらいましょう。事前の対策も立てやすくなりますよ。
まとめ:建設業に税務調査が多い3つの理由と対策ポイント
それでは最後にこの記事のまとめです。まずは、税務調査が多い3つの理由をまとめると、
税務調査が多い3つの理由
- 一見あたりの金額が大きい
- 不正所得の発見割合が高い
- 会計処理が複雑
そして事前の税務調査対策として気を付けたいポイントは、
税務調査で気を付けたいポイント
- 工事関係書類は適正に保存すること
- 原価管理を徹底し工事台帳の整備をする
- 四半期に一度は税理士にチェックしてもらう
税務調査は定期的にあるものなので、過度に恐れず対策をしておくことがポイントです。
まずは、ご自身でできる工事台帳の整備から始めてみてはいかかでしょうか。
建設業の経理や税務調査に不安を抱えている方は、是非コチラからお問い合わせください。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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